江の島

江の島

江ノ島

自分の中で日本一まともな県、神奈川県。横浜やら箱根など有名な観光地は多々あるが、今回は島全体が観光地という「江の島」をご紹介。江の島というと、お天気カメラ、海水浴、サザン、エスカーなど、人によって思い起こされるキーワードは様々だと思うが、個人的なキーワードはズバリ「昭和」だ。

島の入口にある青銅の鳥居を抜けると、参道の両脇には土産物店がずらり。温泉地でも見かけなくなったスマートボールや射的の遊技場もあり、一昔前にタイムスリップしたかのような魅力的な参道。

とある一件に入ってみれば、長期在庫と化した貝の土産物がどっさり。店の中央では「だからさー、自分さー、言ったのよぅ。」と言った感じで、店の人を中心に3人が世間話をしている。お客が入ってきても全然眼中にない様子で、ある意味とても平和だ。

江の島

参道脇はかな〜り魅力的

江の島

理科室の標本的なカニ(非売品)

江の島

何故かフィリピン産。海のカニの仲間も

江ノ島ところで、この江の島には「エスカー」なるオリジナルの乗り物がある。実体は単なるエスカレーター。ただし上りのみ。後から知ったのだが、4つのエスカレーターを乗り継ぐことで、江の島の一番高いところに行くことができる。

参道の終わりにある江島神社への入口に、最初の乗り場があった。しかし、鳥居をくぐったところにある池の亀を見て、何の気なしにそのまま階段を上がってしまう。実はこれが大きな間違いで、上っても上っても階段が延々続く。

ということで、足の筋肉をプルプルさせ、ぜーぜー言いながら階段を上らなくても済むように、エスカーは存在するのだ。年寄り、足腰に自信のない人、かかとの高いクツを履いた婦女子は、迷わずエスカーに乗るべし。

ぜーぜーしながらたどり着いた先は、江島神社(辺津宮)。島には3つの宮があり、総称して江島神社と呼ぶ。この辺津宮には、日本三大弁財天の1つに数えられる妙音弁財天が祀られ、芸能や恋愛の神様として信仰をあつめている。

かくしてココで目立つのは、大きな白い龍が凛々しい銭洗の池と、大きなハートが描かれたピンクの絵馬。恋結び・縁結びということで、ハートの中に男女二人の名前が書かれている。恋人募集中の人は自分の名前だけ書いておくのがルールらしい。

江島神社

江島神社

秘宝

辺津宮の隣りに「秘宝」の文字を発見。ただしここで言う「秘宝」は、八臂弁財天像と妙音弁財天裸像。裸だけどエロじゃありません。ちなみに拝観料が必要で内部は撮影禁止。

エスカーエスカー奉安殿を後にして、初めてエスカーに乗る。途中からでも乗れるのは親切だ。ちなみに最初の区間はエスカレーター2つ分。どーりで階段が長かったわけだよ。

さてエスカー2区、3区。改修されたばかりだったので、明るくてとてもキレイ。横の壁は2区はコカ・コーラ、3区は明治製菓の宣伝で統一されている。となると気になるのは1区のエスカー。観光地ということで、考えられるのは富士フイルムか。また、2区と3区の間には、中津宮という神社あり。

エスカーの終点にたどり着くと、植物園、展望灯台がある頂上。しかし、リニューアル中ということでどちらも入れず。唯一開いていたのがガーデンパーラー。軽食とゲームが楽しめるスペースで、まったりしている親子連れ多数。ここで射的を堪能し、マルカワのガムを4個ゲット。

ちなみに現在植物園は、江の島サムエル・コッキング苑という洒落た名称の庭園になっている。

江の島

工事中で入れず

江の島

江の島展望台

江の島

マンホールがイカしてます

お知らせの看板で誘っていた「神秘的な洞くつ 江の島岩屋」を目指して歩いていくと、地球が○く見える丘と書かれた看板を発見。人んちの庭的な雰囲気漂う階段を上がると、かなりこぢんまりしたスペースにぽつんと望遠鏡があるだけ。

熱海の愛情岬のノリか、錆びた鉄作には男女の名前が書かれた南京錠がぶら下がっている。しかし、数が少なくもの悲しい。

江の島

手書き具合がいい味出してる看板

江の島

○く見える丘・・・って、これが全貌

江の島

曇ってるので・・・よくわからず

ところで、正確には「地球が丸く見える」というのは宇宙から見た場合であって、実際は水平線が緩くアーチを描いているのが見えて「地球は丸いと実感できる丘」だ。ま、何にしてもこの日は曇っていたので、水平線がよくわからず。

江ノ島この後、普通の民家や土産物屋、お食事どころなどが連なる、参道に続いて賑やかな通りが続く。あちこちで地元の人が世間話をしている。またしても平和だ。

通りが途切れると、八方睨みの亀が天井に描かれた江島神社の奥津宮がある。近くには、亀に似ている亀石やら、320キロもあるのに力持ちが運んできたという力石。ピンクの絵馬があった辺津宮に比べると、俗っぽさがなくて落ち着いた雰囲気の場所だ。

江の島に伝わる伝説には龍や亀が関係しているそうで、比較的新しい龍宮というのもあり。厳しい表情の龍は迫力満点で、目が怖い。

恋人の丘、龍恋の鐘への案内看板があったが、結構歩きそうなのでパスした。

江ノ島さて今度は階段を下り続けると、「稚児ヶ淵」と呼ばれる場所に出る。なんでも悲恋物語が残る場所だそうで、神奈川景勝50選の一つでもあるらしい。
波で洗われる岩を見ながら、江の島岩屋へ。

江の島岩屋は長い年月の波の浸食でできた洞窟で、第一岩屋と第二岩屋がある。平成5年にリニューアルされたそうで、第一岩屋と第二岩屋の間には、以前の通路の名残を見ることもできる。内部はちょっとした博物館状態で、江の島の歴史と文化が学べる。またロウソクの火を手に、洞窟の堪能もできる粋な場所だ。

江ノ島岩屋からは元来た道を戻る。途中の賑やかな街まで戻ると、参道への近道と書かれた看板を見つけ、そちらに進んでみる。この近道は緩い坂で、途中にバイクが止めてあったりして地元の人の生活道らしい。道が狭く、階段が多い江の島の主要交通手段は「徒歩」であるが、この近道なら山の途中までバイク等で行かれるのだ。

そこら中で世間話をしている地元の人、欲しくない品が並ぶ土産物屋、そしてクルマが通らないこともあってのんびりした雰囲気。

海に沈む夕日を眺めながら、島全体にいまだに「昭和」の時代が流れているように感じた江の島。所々新しくなってはいるようだが、できればこのまま変わらないで欲しい。そんな訳で、個人的な江の島のキーワードは「昭和」だ。