目黒寄生虫館

目黒寄生虫館

目黒寄生虫館外観東京都内で「住民税が高い区ベスト5」に入るであろう目黒区。そんな目黒区に「財団法人目黒寄生虫館」はあります。JRの目黒駅から目黒通りを等々力方面に下って徒歩15分ほどの場所ですが、駅前の交番で場所を訪ねると案内図も用意されています。
外観は薄茶色(淡いピンク色?)の縦長のビルです。目立った看板は出ていないので、気付かずに通り過ぎてしまわないように気を付けてください。
目黒寄生虫館は1953年(昭和28年)に創設され、1956年に本館が完成。1968年には3階建てに増築された後、更に1992年(平成4年)に7階建てに新築され、現在に至っています。それだけ、資料や標本の増加が著しいということでしょうか。

ここは、日本にとどまらず世界で唯一の寄生虫専門博物館なのであります。そして入館料はなんと無料です。皆様からの寄付が貴重な財源となっているそうですから、訪れたら必ず寄付してほしいものです。

肺吸虫さて、この7階建ての建物は1〜2Fが展示室になっており、この展示室を自由に見学することができるのです。展示室には内線電話がおかれ、質問などがあればこの電話を利用して聞くことができます。
入口を入ると寄生虫のロゴが並んだパネル。寄生虫というのは全動物の6パーセントを占め、その種類は7万種にも及ぶのだそう。大きく分類すると「原虫-単細胞からできた虫」、「蠕虫(ぜんちゅう)-うねうね体をくねらせ動く虫」の2つに分けられ、ここに展示されているものは「蠕虫」です。

1Fの展示室には、左の写真のような標本が数多く展示され、寄生虫の生態や日本における分布などが、パネルを使ってわかりやすく説明されています。寄生虫に腹を食い破られたネズミや、目に寄生されたウミガメ(頭のみ)など滅多にお目にかかれないものがズラリと並んでいます。

回虫右の写真「うどん」ではありません。回虫です。細い糸状のタイプで線虫と呼ばれるものの一種です。
寄生虫と聞いて「いや、ちょっと...」と遠慮しがちですが、このように標本ですから安心して見ることができます。もちろん感染の心配だってありません。それでも、見るに耐えない場合は入口横に椅子がありますから、連れの方の見学が済むまでそこで待つことをお勧めします。どうしてもダメという場合は、最初から行かない方がいいかもしれません。

さて、2階はというと、過去の研究、世界の寄生虫が媒介する病気など、標本とパネルを使ってわかりやすく説明されています。まず目に飛び込んでくるのは、館内人気NO.1とウワサの巨大陰嚢(いんのう)パネル。フィラリアによる象皮病で股間から足下まで肥大した玉袋の大きさは凄まじいです。男性の方は、ちょっと股間が寒くなるかもしれません。
他にも動物から人間へ感染する経路の説明や、8.8mの巨大サナダムシの標本、とにかく目を見張るものばかりです。

寄生虫博士研究史室といわれる一角には、左の写真のようにずらりと寄生虫博士たちの写真が並び、彼らの研究の成果が展示してあります。ここでの圧巻は寄生虫館の館長でもある亀谷先生の「寄生虫スケッチ」。
アニサキスキーホルダーこのスケッチは芸術といっても過言でないほどの繊細さ。寄生虫という微生物に関しては、写真はあまり有効な図像資料とはならないそうで、かくしてスケッチが重要視されているわけです。このスケッチだけでも一見の価値ありです。見逃さないように気を付けてください。

そして、なんとここには「寄生虫グッズ販売コーナー」があるのです。ポストカードやTシャツなど世界で唯一の寄生虫グッズ。私も早速「アニサキスキーホルダー」を購入しました。アニサキスの幼虫が中に入っているキーホルダーです。袋には幼虫の説明と予防方法が書いてあります。
また寄生虫館に訪れた人が自由に書き込める感想ノートもあり、これを読むのも面白いかもしれません。

ところで、普段何気なく口にしているもの。実は寄生虫感染の媒体になっているものがあります。下に簡単な表を作成してみましたので、参考にしてみてください。尚、あなたが口にできない食品が増えたとしても、私は何の責任も負いません。

意外と多いよ寄生虫

食品 食べ方 寄生虫 寄生場所 潜伏期間 症状
牛刺し
たたき
無鉤条虫 小腸上部 8-10週間 消化器障害
ニワトリ ささみ造り マンソン孤虫 皮下、目
腹腔、脳
不定 移動性腫瘤
すっぽん 生血 マンソン孤虫 皮下、目
腹腔、脳
不定 移動性腫瘤
サケ
マス
ルイベ
刺身
広節裂頭条虫 小腸上部 数日〜数ヶ月 消化器障害、貧血
イワシ
サバ
三杯酢
刺身
大複殖門条虫 小腸上部 数日〜数ヶ月 消化器障害
イカ
海産魚
刺身、寿司 アニサキス 胃壁、腸壁 数時間〜数日 激しい腹痛、腸炎
野菜 サラダなど 回虫 小腸内 10日〜2ヶ月半 腹痛、下痢、食欲不振

最近では東京のデートスポットにもなりつつある「目黒寄生虫館」。
興味本位で訪れると、意外と後を引く場所だと思われます。