嬉野武雄観光秘宝館

嬉野武雄観光秘宝館

暇そうなオバサンがなぜか二人もいるチケット売場で入場料を払う。すかさず「パンフレットがあったらください」とお願いする。寂れた観光スポットではパンフレットをくれないことが多い。そういうのもダメな要素のひとつだ。消極的な接客。

さて、秘宝館といえば当然ながら撮影禁止がついて回る。そんな訳で、今回も自分の手書き画像で雰囲気を味わっていただきたい。

嬉野武雄観光秘宝館自動ドアが開くと、プ〜ンと立ちこめる秘宝館の匂い。熱海秘宝館北海道秘宝館元祖国際秘宝館はまさにこの匂いがする。

この秘宝館臭なのであるが、子供の頃に行った「とし○えん」にある「アフリカ館」の匂いにも似ている。よくよく考えたのだが、換気の悪い場所で長年放置され、ちょっぴりホコリをかぶったマネキンのカツラ(人毛)から発せられる匂いなんじゃないかと思う。比較的新しい秘宝館だとこの匂いはしない。

気が付けば入口の横にランジェリーと看護婦のような格好をしたナゾのマネキンが2体。意味不明。

奥へ進むと和合神社なるものが。通り過ぎたのだが、ワンクッション置いてから何やら音楽と説明テープが流れる。どうやら、最新エレクトロニクスはレスポンスが悪くなっているようだ。神社の横には腰に布を巻き付けただけの全裸女性がはべっている。

誰だこれは?しかし、顔立ち、体つきともに合格。これから先に登場する蝋人形達に期待しても良さそうだ。さすが、総工費5億円。

さて、そねさんと自分はこの女体をしげしげと眺めたり、ワンテンポ遅れた和合神社の説明などを楽しんでいたのだが、ふとした間合いに遠くからエキゾチックな音楽と男性の笑い声のようなものが聞こえることに気が付いた。

「何だろう、すごく気になる」先を急ぎたくなる自分に「ダメですよ、ちゃんと順番に見ないと」とそねさんは、優しく諭すのであった。

薄暗い次の間へと進むと、そこは道祖神の世界。大抵の秘宝館は最初に道祖神ありき。まあ、気持ちを和ますと言うか、こういった道祖神なんかで宗教的意味合いに関連づけて、秘宝館を単なるエロい娯楽施設とは違うとしていたんでしょう。いきなりエロだと引いちゃう人も多いから。つかみってヤツですかね。

さて、道祖神を後にした我々を待ち受けていたのは「長崎オチンチ祭り」と書かれた看板であった。祭りに詳しくない自分でも、それが(玉を追った龍が舞っている?)長崎おくんち祭りのもじりであることはわかる。

嬉野武雄観光秘宝館嬉野武雄観光秘宝館一歩踏み入れると、大音量で祭りの喧騒や花火を打ち上げる音、それに混じって「あーん、待って〜。もう一度」という怪しい女の声。ブラックライトに浮かび上がったそこには、海辺の祭り会場と花火をバックに、性交する男女二組のカップルが対峙していた。そして天上付近の壁沿いには、足の生えた男性器を頭が女性器になった龍がグルグルと追いかけ回す。

実際の長崎おくんちを見たことがないので、何とも言えないが「長崎オチンチ祭り」は凄い。音の凄さと仕掛け、ブラックライトの世界に圧倒されて、しばし呆然。

ブラックライトで浮かび上がる景色は、○ィズニーランドにあるファンタジーランドのアトラクションと変わらないように思う。内容が男女の絡みやちんこなだけだ。やはり、秘宝館は大人のテーマパークなのだ。

結局、仕掛けが自動的に2巡するまで見てしまった。

激しい「長崎オチンチ祭り」の部屋を後にすると、そこからは2階へ上がる階段。階段の両側には道祖神の写真と説明や、性に関するイラスト&コラムが並べられている。しかし、石や木が性器の形をしている道祖神って、かなりあるのだなと実感させられる。イラストの方は○○○○(ある芸能人の名前)は唇がなんとかだから名器だ!とか、そんなようなことが描いてある。「週刊○話」や「○サヒ芸能」の見出し記事みたいだ。

そして、2階は春画と特別展示から始まる。春画については説明のテープが流れ、特別展示の方は、エロチックな絵から生殖器をかたどった土偶とか置物とか、全国のみならず世界中のものが展示してある。

この嬉野武雄観光秘宝館に展示されている絵画のほとんどは、樺山久夫さんという画伯の作品である。エアブラシを多用した作品が多く飾られ、男根や裸体などが幻想的な雰囲気と秘宝館の薄暗さの中で一際エロに見える。

嬉野武雄観光秘宝館さて、少しおとなしい雰囲気が続いた後は、一気にエロバカモード全開。そう、秘宝館で最大の楽しみともいえる参加型アトラクション。ボタンを押したりハンドルを回したり、今風に言えばインタラクティブな蝋人形展示である。

映画のパロディであるスーハーマン(スーパーマン)、アラビアのエロレンス(アラビアのロレンス)。何がどうって、結局のところ秘宝館なので性交している。

ハンドルを回してマリリンモンローのスカートをめくったり、その横には何故かブルースリーがいてパンツが脱げたり・・・しゃべったり、動いたり、最新エレクトロニクスは健在で結構楽しい。

そしてお次はバンジンショーだ。ターバンを巻いた色黒の男性が「バンジンさんですよー」と言いながら、これまた真っ黒な男性器(バイブレーターだな)を露出させて音楽に合わせて踊る。といっても、単に体をくねらせた人形が回転するだけで、踊っているという感じではない。横にある看板には「ダンサーの腰つきに若い女性はクラクラ」とかなんとか書いてある。

「バンジンショーって、...まずいんじゃないですかねぇ」そねさんはそう言いながら笑っている。まあ、確かに...。でも秘宝館自体が治外法権みたいなもんだから、うるさく言う人もいないと思う。入ってきた時点でだいたい脳内細胞がやられてしまい、思考能力は低下すると思われる。

そういえばこのバンジンさん、北海道秘宝館にも「ベリーダンサー」として出演している。秘宝館界のJ-MEN'Sってところか。

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