関ヶ原ウォーランド

2008年は、行ったことのない「県」に行こうと思いつき、散々悩んだ末「岐阜県」に決定。出発前には「勝手に観光協会」秋田県・岐阜県のDVDで予習を済ませ、いざ出陣。

新幹線はほぼ満席だったが、岐阜羽島で降りたのは自分たちだけ。

がらーんとしたホームで目に止まったのは、柱に貼られた「コメットお断り」の注意書き。今時そんなの使うヤツいないだろ。とツッコミを入れたくなる貴重な昭和遺産である。

そして駅を出ると、岐阜といえば円空!(→円空 Wikipedia)とばかりに、ロータリーには巨大な円空仏。

いやー、いい感じに枯れてるね、岐阜羽島。

勝手に岐阜シリーズ第一弾は、10年以上前から行きたくて仕方のなかった場所「関ヶ原ウォーランド」。日本史上最大の決戦といわれる関ヶ原の戦いを、コンクリート製武者像&馬で再現したテーマパークである。

入園料を払おうとして、JAF会員割引があることを知る。更には記念メダル製造機や顔ハメもあるし、雨が降っていたので受付の人は親切に傘を貸してくれた。もう、至れり尽くせりだ。

またこの後、県内のいくつかの観光スポットでJAF割引きがあるのを目にする。JAF会員に優しい県、岐阜。勝手にそう思うことにした。

入口は城を模した作りになっていて、敷地内は忍者が描かれた壁でぐるりと囲まれている。ところどころ雪が残る中に、見渡す限りコンクリート製の武者像がうじゃうじゃしている。関ヶ原合戦を史実に基づいて再現したというだけあって、これはスゴイ!!

しかし、みぞれ混じりの天候、更には土曜日の午前中ということもあってか、人影はない。経営成り立ってるんだろうか、趣味で運営しているんだろうか...等々余計なことを考えつつ、まずは資料館へ行ってみることに。

関ヶ原合戦ジオラマ。これはスゴイ。

300円/25分で関ヶ原の戦いを学べます。

色あせた古戦場跡写真が心霊写真的。

資料館には、人物相関図や年表、現在の古戦場後の地図などがあるが、目玉は天下分目の関ヶ原合戦という巨大なジオラマ。300円を入れると「大垣城の戦いから、東軍の勝利までの経過を詳しい説明と同時に、ランプ等によりご理解いただけます(解説は約25分程度です)」という代物なのだが、動いたところで25分も大人しく見る自信はない。ジオラマだけ堪能して、資料館を後にする。

園内の至る所で戦う、色鮮やかなコンクリート製武者像。
制作者は一部では有名な浅野祥雲氏。その数、なんと!200体を超える。これはスゴイ。

名のある武将の足元には看板が立っているが、名のない者達も個性溢れる表情や仕草をしていて見逃せない。決して動くことはないのだが、なんとなく躍動感が伝わってくるのだ。そして、この武者達に混じり合って写真を撮ると、更に楽しめること必至。

ザ・生首。反対側にもあるから4人分。

家康の前にも置かれる生首。

近づけば見事なまでの苔っぷり。

ところで、家康の目の前に湯浅五助の首が置かれたシーン。なんと、このプラモデルが存在する。ロシアのメーカー「ZVEZDA」から、Samurai Army Headquarters(No.8029)という名前で発売されているのだ。スケールは1/72で、1体の大きさは500円玉より若干小さい。

実は作り上げてここにアップしようと思っていたのだが、ちっとも完成していないため断念した。しかし、コンクリ武者200体以上を作り上げた浅野氏を見習って、いつか完成させたい。

帰ろうと出口に向かうと、建物の2階にもう一つ資料館があることに気づいた。こちらの資料館には武具や甲冑が展示されている。全体的に茶色っぽく彩色豊かなコンクリ武者とは対照的だが、武者像に負けず劣らずかなりの数だ。

「歴史に名高い 天下分目の関ヶ原合戦 歴史と遊ぶ 関ヶ原ウォーランド」

全体的に「静」の展示であるにもかかわらず、なぜか「動」を感じさせるテーマパーク。なんとなくユルい雰囲気なのも手伝って、悲惨さを感じさせない不思議な場所だ。

歴史好き、甲冑好き、ユルいスポット好きな方にオススメ。