僕的九州遺産

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僕的九州遺産

※既に終了してます。

2016年10月。

ネットサーフィン(死語)で、都築響一氏の作品展「僕的九州遺産」が福岡で開催されていることを知る。最新の「九州遺産」を写真や映像、オブジェなどで展開するという。

これだけだったらスルーしていたのであるが、2014年に閉館した佐賀県の「嬉野観光秘宝館」の展示品を集めた「18禁部屋」があると、そこには書かれていた。

都築氏といえば、2000年に閉館した「鳥羽SF未来館」の展示物を買い取り、2002年には「ゑびす秘宝館」で再現していたが、嬉野観光秘宝館の展示品も買い取られた模様。

「秘宝館」の文字に、久々に気持ちが引きつけられた。
もう、これは行くしかないじゃないですか!!!

ということで、いざ!天神。

会場の「三菱地所アルティアム」は福岡市の繁華街、天神のイムズというビルの8階にあった。

中に入るとまず目についたのは、特攻服の着物版といった感じの派手な成人式の衣装。前に置かれたモニターからは成人式の模様を流したVTRも流れていた。主に北九州の若者がこの日の為にお金をかけ、友人達とお揃いで着物を作成するのだそう。

製作を請け負っているのが「小倉のみやび」という会社で、小悪魔agehaと見間違いそうなカタログがたくさん置いてあった。なかなか凄いデザインで、みんな戦国無双で戦ってる武将みたいだった。

その他、会場の壁には「僕的九州遺産」という名の通り九州の昭和的文化や物件、バブルの亡霊的な観光地が、都築さんの写真と解説と共に貼られていた。詳しく知りたい方は、都築さんの書籍を参照されたし。

ROADSIDE JAPAN ―珍日本紀行 西日本編
西日本編は、北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄が、各県別に紹介。

大判写真集に比べると迫力はありませんが、内容は抜群。
ただし文庫本としては、かなり分厚いです。

満を持して「18禁部屋」へ。
尚、写真OKだったので、嬉野秘宝館のページに書いた文章を引用しつつ、当たり障りのない範囲で掲載してます。

尚、ここから先は18歳未満の方、エッチな話題が苦手な方はご遠慮ください。

18歳以上なので、続きを読む

「18禁部屋」のカーテンをくぐると、そこは薄暗い長方形のスペースだった。

入ってまず正面で迎えてくれたのは「燃えよマラゴン」。誰ですか、あなた。
・・・・・・。えーと、当時マラゴンは心の琴線に触れなかったのか記憶になかった。

ただ、足元の説明を読んでおぼろげながら思い出したのは、手に持ってる卑猥な形のヌンチャク(のようなもの)のヒモとズボンが連動して、「アチョー」って言った後にズボンが下がる。
そんな仕掛けだった気がしてきた。

僕的九州遺産

それにしても説明が手書き、ぐわんばる(頑張る)と書かれているあたり、かなりの昭和臭を感じる。でも、逆に味があるというか、しっかり読める字が手書きで書かれているのはスゴイ。

壁には館内の様々な写真がぐるりと貼られていたのだが、マラゴンの後ろに有明夫人を発見。

さらには、入口横にあったショーウインドウの写真も発見。自分が訪れた時は、ランジェリーと看護婦姿のマネキンだったが、この写真を見るとスリップとネグリジェ姿だ。

僕的九州遺産

今になって思えば、嬉野観光秘宝館には最大級ポルノショップなるものがあったので、そこのコスプレ商品を展示していたのではないだろうか。時々新商品に変更したりして、まさにショーウインドウの役目を果たしていたんじゃないかと思う。

それにしてもこの写真の二人、凄いポーズしてるなぁ。

マラゴンの左の壁のスクリーンでは、「ハーレム」を含めた館内の映像が投射されていたのだが、その前に当時の自分に"これから先に登場する蝋人形達に期待"を持たせてくれた、あの全裸女性がはべっているではないですか!

僕的九州遺産

誰かに似てそうで似てない、でも実際に居そうな顔。・・・というこの絶妙な感じ。
ああ、お久しぶりです!
おっぱいの張りも素晴らしく、全然お変わりありませんね。

スクリーンに視線を戻すと「光り輝く宮殿内にくりひろげられる王侯貴族美女達によるこの世の大セックスパノラマコーナーは、日本一の規模と内容を誇っています」と、説明されていたハーレムが繰り広げられている。

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更にしばらく見ていると、都築さんが「へのこ大砲」で遊んでいるシーンになった。
土曜ワイド劇場の「江戸川乱歩シリーズ」のワンシーンになりそうな、全体に漂う昭和臭。

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他にはハーレムで天井からぶら下がっていた女性や、オチンチ祭りの性交男女も鎮座していたが、展示総額2億円のうち7千万円が投資されたハーレムが、やっぱりここでも目立っていた。

小さなスペースだったけど、嬉野観光秘宝館の中身が凝縮された空間だった。

「僕的九州遺産」。久々に気持ちが揺れ動いた「秘宝館」。

全国的に続々と秘宝館が閉館してしまった今、秘宝館は本当に遺産となってしまった。
時代が変わるって、こういうことなんだなと実感する。

ゑびす秘宝館のページの最後に、またいつかどこかで出会える気がする。と書いた。鳥羽と嬉野。場所は違うが、やっぱり巡り会うことが出来た。
次に会えるのは何年後のことだろうか。密かに楽しみにしている。